ベンチャーキャピタリスト十ニ訓
- 1優秀な人材のいる場所、時間、きっかけを探せ。 そこに何度でも通って、一人一人と、仕事ではなく、しっかりと友人になれ。 やがて自分自身が、人材の集まる場となる。
- 2人との出会いは、全てがファン作りの機会。 自身の持っている経験や知識を、相手の立場に立って惜しみ無く差し出せ。
- 3投資する会社を探すな、投資するテーマを探せ。 それから適切な経営チームを探せ。 無ければコンバートを試みるべし。 そこが腕の見せどころ。
- 4お金を売るな、自分を売れ。 経営者から、投資・経営参画してほしい、と先に言われて、初めて上等。
- 5ベンチャーは、不確実性の塊だ。 出来ない理由を語れる人は、数多くいる。 その時こそ、自身がビジョン、戦略、経営者を信じきれるか今一度反芻せよ。 究極のリアリストであり、ロマンチストであれ。 不安を感じるところから動き出す一歩に、あなたの進化が始まる。
- 6経営陣に対し、評論家然、投資家然とした態度で臨んではならない。 中長期を見据え、功を急がず、燦然と進むべき方向を指し示す北極星のごとき存在であれ。
- 7最先端の経営知が、日々ベンチャーが直面する課題とトライ&エラーの中で生まれている。 経営支援は、決して机上では学べない。 あなたは、数多くの優秀な経営陣とその最前線を共有し、ベストプラクティスのハブになれ。
- 8ベンチャーは、逆境の塊だ。だが、困難は進化の礎。 嵐にあってこそ、より迅速に動き、泰然自若、笑顔を忘れるな。 それが、皆の勇気につながる。
- 9誰にでも、撤退すべき時は必ずある。 最悪なのは、ものごとにこだわりすぎ、致命傷になるまで深追いしてしまうことだ。 撤退する時は、全速力で。 そしてその失敗を、必ず次の糧とせよ。
- 10経営者にとって、投資家の言葉は重く鋭き斧。 厳しきことを言う時こそ、一呼吸置き、相手の心相を汲む優しさを忘れるな。
- 11Exitでは、天時・地利が不可欠である。それに備え、見極めよ。 ただし、遂行においての最重要は人和となる。 くれぐれも人事を尽くし、ことあらば人の痛みを引き受けよ。
- 12時を経て、一旦の成功を為し得た時、かつての夢見る若き起業家は、先進の経営者に、新卒だった若者は頼もしいマネージャーとなっていることに、あなたは気付き、そして共に喜びを分かちあうだろう。 その永かった道程に、あなたは真の報酬を見出だす。